対州そばとは
九州最北端に位置する「国境の島」対馬。
古くから島民より愛され大切にされてきた「対州(たいしゅう)そば」とは、対馬で栽培される在来品種のそばであり、それを原料としたむきそば、そば粉のことです。
他のそばと比べて味が濃く、風味に優れており、そばの原種に近い特徴をもっています。実は比較的小粒である一方、粒が重く、大きさがよく揃っていることも「対州そば」の特徴です。
対馬は蕎麦が中国から朝鮮半島を経由して日本に伝承した経路上にあり、日本では最初に伝わった土地とされています。
離島という立地条件により他の地域のそばと交配することなく、長年、島内の生産者と行政により在来種の保護がなされてきました。
全国的に蕎麦の品種改良が進んだ現在は、原種に近いそばは大変貴重とされています。
また、対馬には耕作に適する土地が限らており、昔から時給のためにそばの栽培がされており、家庭の食卓で親しまれ、愛されてきた食材です。
つなぎを一切使わず、100%天然の対州そばを用いるのが対馬流。独特の風味豊かな味と香りを楽しむことができます。
「対州そば」の食味と風味の良さは愛好家の方々から高く評価されており、メディアでも紹介されるなど、全国的な知名度を持つようになっています。
対州そばは、農林水産省が導入している地理的表示(GI)保護制度にも登録されています。
GI保護制度とは、伝統的な生産方法や生産地の風土と深く結びついた特産品を保護する制度。
つまり、「対州そば」は「古くからの伝統的な製法で作られた、対馬独特のそばである」と国からも認められているのです。